会計税務

2014年1月18日 土曜日

直系尊属

1月18日(土)

今年の旧暦の正月、春節は1月31日です。

なので、「節分」も1月31日ということになります。

旧暦ですと、太陽暦の2月以降は「春」ということです。

「新春」とはよくいったものです。

心なしか、だんだんと寒さが緩んでいる気がするのは

気のせいでしょうか。

さて

故人とその配偶者が飛行機事故にあった場合など生死の時間が不明な場合があります。

そういった場合には同時刻に死亡したとみなされます。

同時刻ではないけれども、時間差が少しでもある場合は相続関係が複雑になります。

すなわち

一旦夫婦どちらかから、その婚姻相手に対し相続権が移転することになります。

相続人が直系尊属だけの場合(子がいない場合)で

夫の一時間後に妻が死亡したとします。

その場合、妻に対して夫の財産の2/3が相続され

夫の父母に財産の1/3が相続されます。

さらに

その一時間後に

妻の父母に、もとの夫の財産の2/3が相続されます。

民法上ではそうなっていますが

夫のご両親としてはいかがでしょう。

夫婦仲がよく妻の内助の功により夫の経営する事業がうまく行っていた場合などは

すんなりと法定どおりにいくかもしれませんが

夫婦仲が普段からあまりよくなく

その様子を普段から双方のご両親が見聞きしていた場合ですと

夫側のご両親としては納得がいかないかもしれません。

ご自身はお亡くなりになってもう関係がないことになりますが

残されたご両親のお気持ちはどうなるでしょうか。

かといって

民法そのものに不具合があるかというとそうではないと思います。

一律に最低限度の決め事である以上は致し方ないので

子がない家庭の相続では

遺言や生前贈与などで、事前の相続対策をすることになります。

とくに

若くして財を成した方で、お子様がいらっしゃらない方はその影響が大きいと思います。

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2014年1月 9日 木曜日

自社株での物納

1月9日(木)

今週は仕事始めの週の方が多いと思いますが

私の場合は今週初日までの宿題があったため、先週からの出勤で

電車の混雑の差を実感します。

空いている電車の場合は楽チンですが

人が少ないので

とても寒いです。

さて

今週も相続のご相談があったのですが、

法人経営の場合、法人そのものの価値も相続財産に加味しなければなりません。

本人が出資100%の場合は、株式の評価になるのですが

結果的にはその法人が所有する資産評価になります。

スーパーアバウトに言うと

その法人の貸借対照表の純資産の部が目安になります。

本来は、純資産価額評価や類似業種批准評価、配当還元評価などがありますが

純資産の部が、相続評価額のひとつの目安にはなります。

あくまで「目安」ですので、もちろん詳細評価は異なります。

純資産の部が2億円だったとします。

配偶者の方とお子様2人とすると、約4千万円の相続税となります。


納税資金がなく、ほかにこの株式以外に財産が何もない場合などで、

この株式に譲渡制限がなければ物納は可能です。

ただし

この株式は1年以内に競争入札にかけられてしまいます。

落札者がない場合には

その法人の関係者(主要株主、役員、株式発行会社、取引先)に買取要請があります。

いずれにせよ

経営が不安定になる面は否めませんし

最悪、買取要請の時点での買取を予定することになるでしょう。

相続時までに、生命保険での納税資金確保がオーソドックスな対策かと考えます。

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2014年1月 3日 金曜日

相続財産の時価評価

1月3日(金)

本日より仕事始めとなります。

私の今週は大晦日までは出勤して、お休みは元旦とその翌日でした。

2日間の休みをのんびりと過ごすのはもったいないので

気になっていた知識の習得に費やしていました。

なかなか目標どおりには進みませんでしたが

今日と明日は比較的余裕をもって業務ができそうなので

昨日の残りも消化できそうです。


さて

相続財産の分割調停によりほぼ法定相続どおりの調停案になったとして

分割の方法とともに問題となるのが、分割財産の評価です。

論点を整理すると以下のようになります。

1 不動産の分割方法をどうするか
2 各種財産の評価はどのように決定するか
3 生前の贈与分をどう評価するか
4 寄与分の有無をどう判定するか

1の場合、代償分割の方法により行うのもひとつの手ではないかということを書きました。

もちろん、換価分割や持分分割登記でもよいのですが

将来の売却を考慮すると持分分割登記は問題がありますし

収益不動産の場合でも、直接換価分割では経済合理性の観点からどうなのかということになります。

特に、優良収益物件の場合には、換価分割による売却自体がもったいないということもあるでしょう。

そのため、一般論としてはいきなり持分分割や換価分割よりも

まずは代償分割を考慮に入れればよいのではということです。

もちろん

代償分割無しに、他の相続財産の配分で合理的な合意が得られればそれに越したことはありません。

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2013年12月31日 火曜日

代償分割

12月31日(火)

遺留分の減殺請求などがない場合でも

個人が遺言状などを残さない場合にあっては

相続人の間で、相続財産をめぐる争いがおきることもあります。

そういった場合には、一旦家庭裁判所での調停の手続きを申請します。

調停手続きにより、審判結果が出るわけですが

おおむね法定相続どおりの審判となります。

ここで

法定相続どおりといっても

容易に分割できる財産と分割できない財産があります。

分割できない財産は不動産のほか、自社株などがあります。

これらは現金と違い、そう簡単に分割ができません。

たしかに不動産の分割登記や持分按分登記は可能ですし、自社株の按分も物理的には可能です。

しかしながら

不動産の場合、複数の当事者がいる場合ですといざ売却のときに意思統一ができないと売却はできませんし、

自社株も経営権が分散することにより、事業の不安定性をもたらすことになります。

こういった場合には

代償分割により、各相続財産の不均衡を現金で精算することにより

結果として相続人同志の不公平感を緩和させることも可能です。

代償分割を行う場合には、遺産分割協議書にその旨を明示し、あくまでも遺産分割時の金銭精算の旨を明示する必要があります。

協議書に記載がないとその効力が無効かというとそうでもないのですが

遺産分割後の財産の受け渡しは贈与課税の対象になるため

それとの混同を防ぐ意味でも協議書に明示しておきます。

代償分割による金銭の受け渡し自体は贈与にはなりません。

代償分割は贈与税の対象になると他の税理士(仮にA氏とします)に指摘されて

当社に相談にこられた方がいらっしゃいます。

そんなことはありません。

あくまで

相続時の財産配分ですので贈与行為ではありません。

相続財産の分割後に財産の受け渡しを行わなければよいのです。

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2013年12月26日 木曜日

遺留分

12月26日(木)

遺言があったとしても、家庭内不和のまま故人となってしまったケースを考えてみます。

第三者への遺贈(内縁の妻や愛人、その子なども含む)が遺言で記してあった場合などです。

遺留分(※)減殺請求が発生するより少額の遺贈等であっても

残された関係者でのもめごとの発端となります。

財産整理と同時に身辺整理も必要となるでしょう。

ましてや

遺留分を超えて遺贈する場合なども、よくよく考える必要があります。

※ にある遺留分ですが

法定相続人のうち、配偶者と子、直系尊族に認められている権利で

法定相続分を侵害されて財産分割があったときに、最低限度の相続財産分を主張できるというものです。

故人の兄弟姉妹には遺留分が認められていません。

一例ですが

別居状態の夫婦で離籍がない場合、民法上は夫婦のままです。

この夫婦に子がない場合であれば、通常は妻が法定相続人となり

財産のすべてを相続します。

この場合、子がいないため、法定相続分は1となります。

ところが

故人に内縁の妻がいたとして

「財産のすべてを内縁の妻に譲る」旨の遺言があったとします。

遺言どおりに財産遺贈を執行しようとしても

戸籍上は妻が法定相続人のため

遺言がなければ、この故人には子がいないので、法定相続人は妻のみとなり

財産のすべてが妻のものとなります。

ところがこの遺言の存在のために

遺言の内容が法定相続に優先します。

そうはいっても妻は法定遺留分の財産権を侵害されているため

妻が法定相続分の5割を主張できます。

したがって、戸籍上の妻は内縁の妻に対してから遺留分の減殺請求をすることが可能です。

実際こういったケースでは

もめ事になる可能性が高いので、本来であれば、離籍も含め

きっちりと離婚の手続きを経るべきであったでしょう。

このケースではまずは以下の対応をしておくべきであったと考えられます。

① 別居とはいえ実質離婚状態であれば、離籍等法律上の手続きを踏まえておくこと
② 上記であれば離婚時の財産分与を適切にしておくこと
③ 内縁の妻との婚姻関係を法定上有効なものにし、籍を入れること

なお、遺留分の減殺請求は以下の時効があります。

相続の開始があったときもしくは遺留分の財産権を侵害されたことを知ったときから1年
もしくは
相続の開始があったときから10年

とくに後者の場合は相続の開始を知ったか否かに関係なく、請求権が事項となってしまうことに留意する必要があります。

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