税務あれこれ

2025年12月30日 火曜日

令和8年税制改正の注目点(続き)〰青色申告特別控除の見直

前回の続きです。

今回は青色申告特別控除の見直しです。

会計ソフトやe-Taxが広く使われるようになったことを受けて、電子申告や電子保存に対応している人をこれまで以上に評価しよう、という内容になっています。

税制改正を踏まえて、令和9=2027年以降の所得税から適用になる予定です。

以下に概要を記載します。


1 複式簿記で記帳している場合

e-Taxで期限内に申告している場合

これまでどおり、65万円控除です。

さらに、

帳簿を要件どおり電子保存している

請求書データなどを電子で管理している

といった対応をしている場合は、控除額が75万円に増えます。


2 紙で申告している場合は注意

帳簿は複式簿記でも、申告を紙で行っている場合は、

55万円 → 10万円

へと控除額が大きく下がります。e-Taxを使っていない方は、影響が出やすい改正です。

電子申告に対応していない税理士事務所の場合は、要注意ですね。


3 簡易簿記の方はさらに影響大

前々年の事業所得もしくは不動産収入が

 1,000万円以下:10万円控除

 1,000万円超:控除なし

となります。

さらりと、「前々年」と記載されているところが要注意です。

また、収入が増えてきた方は、記帳方法の見直しが重要になります。


今後の変更等にも注意する必要がありますが、早めに電子申告と帳簿の保存方法を整えておくことで、将来の税負担が増加しないように留意ですね。


(モネ 睡蓮 1906)