税務あれこれ

2025年4月26日 土曜日

法人の解散と清算について

今回は、会社を清算する際に注意すべきポイントについて、追加でお話しします。
「後継者もいないし会社をたたもうかな......」というタイミングの前に整理しておきましょう。

なお、後継者がいなくとも業務が好調であれば、会社売却という手段もありますが、これは別の機会に...

1 社長への貸付金はどうする?

まず、会社から社長個人への貸付金がある場合。
これは原則として返済が必要です。

仮に相手が連絡不能、または既に会社が清算済み(たとえば取引先のようなケース)であれば、一定の条件のもと「損失」として経費にすることが可能です。

証拠としては、「内容証明郵便を送ったが宛先不明で戻ってきた」などの具体的な証明が必要になります。
一方、連絡が取れる場合は、貴社から社長へ債権譲渡を行い、法人清算後は社長の個人管理債権とするのがよいでしょう。

社長からの借入金がある場合は、今後別途記載します。

2 株式や投資信託などの運用がある場合はそれらの取り扱いにも注意!

次に、現在保有中の投資商品。
こちらも清算前に処分しておかないと、配当が継続してしまい「会社がまだ活動中」という扱いになってしまいます。

つまり、運営が継続しており、清算完了とは見なされません。
早めの整理がカギですね。


3 清算のステップを簡単におさらい
まずは「解散決算」
 残った財産を確定させます。解散には「官報公告」が必要なので、予定日の1か月前には公告予約が必要です。

解散日と通常決算日をそろえるのがコツ
 処理が一度にできて、手間が少なくなります。

 なお、株式会社の場合は、解散日から1年後が自動的に決算日となりますが、合同会社の場合は自動的にはそうなりません。
 そのため、合同会社を清算する場合には、定款を変更して、解散日を決算日と合わせておくのが一つの方法です。
 そうでないと、解散決算を行った後に、清算決算の前に、通常決算が到来してしまうという事態が合同会社の場合は、発生しかねないからです。

その後「清算手続き」へ
 残った財産を分配します。この「解散」と「清算」の間には、2か月以上の期間が必要です。
 解散決算と清算決算は別個に必要となります。

なお、清算後に出資金(資本金)よりも分配金が少なければ、株主個人に課税されることはありません。
多ければみなし配当となります。
みなし配当については、既述の記事があります。

発生経費としては、登録免許税のほかに清算決算までの各種法人税等が発生します。

また、ご自身で行う場合以外は、司法書士手数料や決算手数料が発生します。

これらを合計すると通常は20-40万円程度は、発生すると見込まれます。

記事URL

アクセス


〒244-0801
神奈川県横浜市戸塚区品濃町551-4 ネオポリストキワⅠ-202

■交通アクセス
JR横須賀線
東戸塚駅より徒歩6分

近隣駐車場あり

お問い合わせ 詳しくはこちら