実例を元にした資金調達Q&A

Q 「当社は設立段階から自己資金のみで事業を行ってきました。借入の必要性はあるでしょうか。」

A  今後の事業展開をどのようにしていくかによります。

【解説】
以前より、豊富な自己資金をお持ちで、かつその自己資金の範囲内での事業を進めていくのであれば、借入の必要性を私が述べる筋合いはございません。

一方、自己資金の範囲を超えて、借入資金をてこに使いながら、成長スピードを早めていく事業展開をお考えであったり、今現在は緊急の資金需要がなくとも余裕資金として現預金を多めに保有しておくといった考え方もあります。

いずれにせよ、借入の必要性があるか否かという点と、余裕資金の必要性の有無で判断されるといいでしょう。
とくに、それほどの成長スピードをお望みでなくとも余裕資金として現金を所有しておく意味合いはあります。
すなわち、 資金が切迫してからでは、銀行はお金を貸してはくれないからです。  
傘は晴れている時にしか借りることはできません。

Q 「借入を成功させる前提はどのようなものでしょうか。

A 借入が可能にある状態かどうかをまず検討する必要があります。

【解説】
まず、融資にはその金融機関が独自の基準で、その金融間のリスクの範囲内で貸し付ける「プロパー融資」というものと、実質的に自治体が保証人となる信用保証協会の「保証つき融資」というものがあります。
プロパー融資は、金融機関との実績を経た後の融資を経て初めて実施されるものです。
これは、創業期の企業などには通常ありません。
したがって、当初は信用保証協会つきの融資を受けることになります。
いっぽう、この保証を受けるためには、決算が2期終了している必要があります。

決算が2期終了していれば、信用保証協会付きの 融資を検討することになりますが、創業後間もない事業にあっては、月次決算しかないため、2期終了前では日本政策金融公庫の創業支援融資が前提となります。
注)Properのもともとの意味ですが、「正しい」という意味のほかに「固有の」という意味もあります。
領土や不動産はPropertyとなるわけです。


Q 「金融機関はどのように選べばいいのでしょうか。

A それ相応の金融機関を検討する必要があります。

【解説】
いわゆる都市銀行は、大手企業あるいは中小企業の中でも大規模な企業としかお付き合いしません。
たしかに、普通預金の口座開設では多数の小口個人客を対象としますが、こと融資に関しては事情が異なります。
融資金額も億単位が前提なので、法人名義の普通預金に1億円あるからといって、その支店のどなたかが挨拶に来るということもありません。
創業から5年間程度は信用金庫とのお付き合いからはじめるのがいいでしょう。
順次、地元の地銀へとお付き合いを広げていくのもいいかと思います。
もちろん、都市銀行とのお付き合いを否定しているわけではございません。先方が了承していただけるのであれば、信用保証協会つきの融資やプロパー融資への道も開けます。
単に、近くにあるからという理由だけで金融機関を選択するのはどうかと思います。


Q 「金融機関との付き合いがまったくありません。」

A まずは預金口座の開設から始めるのがいいでしょう。

【解説】
平成25年4月の「犯罪収益移転防止法」の施行以来、そもそもの口座開設が難しくなっています。
法人名の場合でも、いわゆるレンタルオフィスの場合は、金融機関によっては

「実態が不明」

という理由で、預金口座開設そのものを断られてしまいます。

したがって、レンタルオフィスで事業開始をせざるを得ない場合は別として、金融機関との取引をお考えであるような場合には、ご自宅を本店所在地として始めるのがいいでしょう。
自宅近くの信用金庫などに預金開設していくのがまずは必要かと考えます。
お話としては、創業支援融資や信用保証協会つきの融資とセットでかまいませんが、預金解説できないことにはどうしようもなくなってしまいます。


Q 「借入を成功させるコツはありますか。」

A 見ず知らずの人があなたに借入を申し込んだと考えてみてください。

【解説】
確かに金融機関は、金銭を貸し付けることにより収益を上げる事業体ですが、見ず知らずの人にホイホイとお金を貸すほどお人よしではありません。ノンバンクでも同様です。
ノンバンクも貸付という「与信業務」は行いますが、金銭を預るという「受信業務」を行えるのは銀行だけです。ノンバンクと銀行の最大の違いは「受信業務」があるか否かです。
したがいまして、見ず知らずの人のお金を預るという「受信業務」に関しても、本来銀行は慎重です。
まずは、自分自身が金融機関にとっては「見ず知らずの人」という認識を強く持つ必要があります。


Q 「金融機関への借入申込に際して、注意することはありますか。」

A まずはご自身を信用していただく関係を築くことです。

【解説】
創業後間もない場合だけでなく、創業後しばらく経過した場合であっても、新規取引であれば、銀行にとってあなたは見ず知らずの人です。
最低限の留意事項としては以下のようなことです。
 
①事前の約束を取り付けること
普通預金の一般顧客窓口の係りの方とは業務内容が異なります。
自分の都合のいいスケジュールでアポ無しでいったり、ご自身が空いた時間に、事前の約束も取らず「ぶらっと行く」ようなことは避けるべきです。

②それ相応の服装で行くこと
たとえあなたが未成年であっても、社会人としてそれ相応の服装があります。
「ウチのギョーカイはこの服装が普通だ」という考えは一旦横に置かれてはいかがでしょうか。
お互い、初対面ということを念頭においてください。

③ご自身のビジネス内容を数字を伴って説明できること
ご自身の今後の予定や目標もそうですが、決算内容なども十分に把握しておく必要があります。
記帳代行を会計事務所に任せている場合でも、決算内容を把握しておくにこしたことはありません。
少なくとも要所要所の数字は抑えておかないと、「自身の数値も把握していない」と判断され、とうてい融資はおぼつきません。
くれぐれも「会計事務所に丸投げ」というスタンスを示さないことです。


Q 「上記の回答は当たり前のことではないでしょうか。」

A ご指摘はごもっともです。

【解説】
①のケースの応用ですが、約束の時間よりあなたが5分早く着きました。銀行の店舗入り口は目の前です。このまま担当の方との面会に望んだほうがよいでしょうか。
微妙な時間ですが、やはり最初は指定時間どおりに行くのがよいでしょう。
とくに先方は社内にいらっしゃるので、あなたが来るぎりぎりまで、何らかの、しかも社内でしかできない仕事をかかえているかもしれません。あなたとの約束の1時間後に外出するかもしれません。
そういった場合なども含めて②や③以外にもお考えいただければと思います。
また、誰しも何にしても、初めてのことでは注意しても注意しきれないことがあるものです。
上記以外でもご自身で気づかれた「当たり前のこと」があるなら、普段以上に注意してみてください。
特に銀行の方はいろいろなことに、きっちりしている方が多いように見受けられますので。


Q 「創業直後でも無担保無保証で融資が受けられる制度を教えてください。」

A 日本政策金融公庫の創業支援融資があります。

【解説】
下記サイトに説明があります。
http://www.jfc.go.jp/n/finance/search/01_sinkikaigyou_m.html
注意点としては、政府系の金融機関のため、申請から承認、入金まで時間がかかることです。
申請書の作成を考慮して、2ヶ月ほどの余裕を見ていたほうがいいでしょう。

なお、女性または30歳未満か55歳以上の方であって、新たに事業を始める方または事業開始後おおむね5年以内の方にはさらに優遇された融資制度があります。

http://www.jfc.go.jp/n/finance/search/02_zyoseikigyouka_m.html


Q 「創業支援融資の成功事例のポイントを教えてください。」

A 計画書の記述を過不足なく記載することです。

【解説】
こちらから各種様式がダウンロードできます。
 https://www.jfc.go.jp/n/service/dl_kokumin.html

この中の、「創業計画書」や「創業計画書記入例」がありますが、事業プランなど書ききれない場合が往々にしてあります。
そういった場合には「別紙」形式とし、無理にそのスペースにはめ込む必要はありません。
むしろ、別紙を設けたほうがより詳細な記載ができますので、そちらがお勧めです。
数値面では、売上高などの事業計画数値の根拠と、借入資金の返済の確実性を適切に表記する必要があります。

最終的には、公庫担当者との面談があるため、どこをどう聞かれても問題がないように事前シミュレートしておくのがよいでしょう。
 
面談で聞かれるポイントとしては、過去の実績と今後の展開の関連性、借入資金の使用使途、返済見込などです。
なお、すでに事業がスタートしている場合には月次の決算書を求められます。
こちらについても、疑問点がないように隅々まで理解しておきましょう。創業時にあっては、試算表も複雑な数値ではないため、ほぼ網羅的に把握しておく必要があります。

数値面での把握がないと面談での印象はとても悪い評価につながります。


Q 「創業支援融資での失敗例を教えてください。」

A ゼロ回答は少数派です。

【解説】
事業計画書と面談のシュミレーションをしっかり行っておけば、まったくのゼロ回答ということは少ないでしょう。
事業計画書の記載のポイントは、

①そもそもあなたはなぜこの事業を行うのか
得意分野か否か、経験の有無など過去の実績がはっきりしていると評価がしやすくなります。

②この事業での実績の有無
実績がない場合は金融機関としては評価がとても困難になります。
したがって、過去数ヶ月の実績でもいいので、数値で説明することです。

③返済可能性
借り入れた資金をどう返済していくのか。
実は、創業支援融資に限らずこの点は金融機関がもっとも気にするところです。利息をどうするかよりも、元本返済がまず大事なのです。

④数値の把握
ご自身は営業出身だから数字のことは苦手である、という理屈は金融機関には通用しません。
しっかりお金を管理し、しっかり返済してもらわないと困るわけです。
こと、金融機関に対しては、数値説明は詳細に把握して把握しすぎることはありません。それができてはじめて、要所要所を簡潔明瞭に説明できるのです。

 
上記の点がうまく記載できなかったり、あるいは面談で数値面の弱さが見えたりした場合には、希望融資金額の大幅な減額となります。

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